令和五年四月二十日(木)
 2023/04/20(木)
 椎名匠店の工房にて
 
  金メッキされた金具が元の位置に復元されています。
 
 

  本柱には、この後、クリーニングされた登り龍、下り龍、鯉の瀧登りの彫刻、木鼻獅子等が元の位置に復元されます。

  箱台中紋の三つ巴(みつどもえ)や出し鼻(だしばな)の地紋部分に細かい魚子打ち(ななこうち)がされており、角金物(棹穴を囲っている金物)の唐草文様を浮き彫りにさせている魚子打ち(ななこうち)には、すばらしい芸術性があります。

  魚子打ち(ななこうち)とは、刃先が小さな輪になったタガネを使い、表面に魚の卵のような小さな円の文様を打ち込む技法で、シンプルですが文様を美しく揃えるのは至難の技と言われます。

  木段橋(きだはし)の細かいところまで丁寧に唐草文様の魚子打ち(ななこうち)がされています。

  金具の総数は千三百を超えるそうですが、その金具を打ちつける釘は指で掴めないほどの小さな釘が使われています。

  金メッキされる前の屋根の金物ですが、三つの円は屋根紋(やねもん)の三つ巴(みつどもえ)の金具をはずした跡になります。

 
  金メッキされた屋根が眩く光っています。表面全体に亀甲花菱形(きっこうはなびしがた)が刻まれており、おめでたい柄で縁起の良い柄として長年継承されてきた文様とされています。
 

  亀甲(キッコー)の文様から、もしかしての想像ですが、野田生まれである神輿製作者の粋な計らいで亀甲(キッコー)の文様にしたかのような「大正ロマン」を感じさせるものがあります。
 神輿が製作された大正十四年(1925年)には「しょうゆ 2L びん」が例のお馴染みの商標がついて発売されています。(「キッコーマングループの歩み(1917-1963)」ホームページより)。

  屋根の軒先(のきさき)を囲う葺返し(ふきがえし)の金具で雲形になっています。

  屋根の金具を押さえる野筋(のすじ)も傷んでいた部分は作り直しされました。

  屋根には、これから金属金具が張替えされます。屋根の上に飾る鳳凰(ほうおう)、本体を飾る瓔珞(ようらく)も現在修繕中とのことです。